共働きでの子育てに悩んでいるご家庭も多いのではないでしょうか。子どもやパートナーと接する時間が限られてしまい、日常的にストレスを感じている人も少なくありません。
そこで、本記事では、共働きで子育てしている家庭の割合や共働きの子育てが大変な理由、共働きの子育てで心がけたいことについて解説します。また、共働きの家庭が夫婦円満でいるためのコツについても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
共働きで生活している家庭の割合
2022年の男女共同参画局「令和4年度男女共同参画社会の形成の状況」によると、共働き世帯は1,191万世帯にもおよび、日本の夫婦の約7割が共働きであるという結果が出ています。
また、その傾向は年々増加しており、2001年から2022年までで約1.5倍も増加しています。この背景には、世帯年収の減少や労働意識の変化、労働制度の拡充などが要因として存在しており、今後も共働き世帯は増加する可能性が高いです。
参考:新たな生活様式・働き方を全ての人の活躍につなげるために~職業観・家庭観が大きく変化する中、「令和モデル」の実現に向けて
共働きの子育てが大変な理由は5つ
ここからは、共働きの子育てが大変な理由について解説します。
- 時間の制限が多い
- 家事や育児の負担がどちらかに偏っている
- 家事や育児との両立が難しい
- 睡眠時間が十分に取れない
- 夫婦間のコミュニケーションが不足する
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.時間の制限が多い
共働き夫婦が子育てで直面する課題の1つとして、時間の制限が多いという問題があります。仕事と子育ての両立は、スケジュールのやりくりから日常的な家事の時間など、多くの時間的制約を生み出します。
そのため、多くの共働き家庭では、「子どもと過ごす時間が足りない」「自分の時間がまったくない」といった悩みがあり、これらの悩みは家族のために働く目的そのものを見失わせ、ストレスの原因となりがちです。
なお、フルタイムの子育てでのメリット・デメリットや後悔しないポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:フルタイムの子育てで後悔しない3つのポイント|メリット・デメリットも詳しく解説します!
2.家事や育児の負担がどちらかに偏っている
家事や育児の負担における偏りは、多くの共働き家庭で顕著な問題として存在しています。内閣府の令和2年度「少子化社会に関する国際意識調査」報告書によると、家事・育児の分担は女性に大きく偏っています。
このような偏りは、ママに大きなプレッシャーを与え、「自分だけが大変」と感じさせる原因です。パパの育休取得の促進や緊急時の対応、学校行事への参加など、家事・育児を巡る負担を公平に分担することが、共働き家庭におけるパートナーシップの強化につながります。
参考:令和2年度「少子化社会に関する国際意識調査」報告書|内閣府
3.家事や育児との両立が難しい
家事や育児の両立は、多くの親が抱えている共通の悩みです。とくに、小さな子どもがいる家庭では、予期せぬ出来事に対応しなければならないことも少なくありません。
たとえば、朝の支度に思いのほか時間がかかったり、突然の病気に見舞われたりすることで、一日の計画が大きく狂う場合があります。このような状況では、柔軟な対応が求められます。
また、家事や育児を両立させるためには、パートナーや家族との協力が不可欠です。互いに負担を共有し合い支援し合うことで、家事と育児の負担が軽減できます。
4.睡眠時間が十分に取れない
小さな子どもがいる家庭では、夜間の睡眠時間が十分に確保できない場合が多いです。子どもの夜泣きが原因で、細切れの睡眠を余儀なくされている家庭も少なくありません。結果として、充分な休息が取れず、心身ともに疲弊してしまいます。
また、休日であっても子どもの世話があるためゆっくりと朝寝坊できず、睡眠不足は慢性化しがちです。このような状況では、身体的にも精神的にも体調を崩してしまいかねません。
大切なのは、パートナーで協力し合い、互いに休息できる時間を確保することです。休日は、子どもがお昼寝しているタイミングに合わせて、どちらかが仮眠を取るなど、互いを思いやる気持ちが必要です。
5.夫婦間のコミュニケーションが不足する
共働きの家庭では、コミュニケーション不足が大きな課題となる場合があります。互いに忙しい生活を送っていると、時間をみつけて話し合う機会がなかなか確保できません。
このような状況は、家庭内での誤解やすれ違いを引き起こしやすくなり、情報共有の不足によってさまざまなトラブルが発生する原因となります。この問題に対処するためには、意識的にコミュニケーションを取る時間を設けることが大切です。
たとえば、短い時間でも夫婦の時間を確保し、互いのスケジュールや感じていることを共有する習慣をつくるようにしましょう。家庭内でのオープンなコミュニケーションは、家族関係を強化し、共働きにおけるさまざまな課題を乗り越える鍵となります。
【年齢別】共働きでの子育てが大変な時期
次に、共働きでの子育てが大変な時期について、年齢別にその理由を解説します。それぞれについて詳しくみていきましょう。
0~1歳
赤ちゃんの時期は、夜泣きや頻繁な授乳で親は深刻な睡眠不足に陥りがちです。この時期は、連続して長時間眠ることは現実的に不可能であり、このような育児の24時間体制は、産後の疲労やストレスの蓄積につながります。
また、「保活」などの保育園準備や共働き生活のはじまりは、親にとって大きな負担となります。このような時期を乗り越えるためには、家族やパートナーとの協力が不可欠です。互いの支援を通じて、育児の負担を軽減する努力が必要になります。
1~3歳
1歳を超えた子どもが歩きはじめると、その愛らしい姿に心が満たされる一方で、「転んで怪我しないか」「頭を打たないか」といった心配ごとが増えます。
そして、2歳になると子どもはイヤイヤ期に突入し、食事や着替え、お風呂、お昼寝など、日常のあらゆることに対して拒否反応を示すようになります。この時期の親としては、ストレスを感じることも少なくありません。
さらに、2〜3歳の年齢差を持つ兄弟や姉妹がいる家庭では、新生児の世話とイヤイヤ期の子どもの世話を同時にしなければならないため、親の負担は一層増大します。
このような時期を乗り越えるには、忍耐と理解、そして時には家族や周囲の支援を得ながら、子どもの成長を見守ることが大切です。
3歳~小学校入学前
子どもが4~6歳になると、運動能力や言語能力の向上に伴い、外での活動が増えるため、安全面への配慮が必要です。また、この時期は、子どもの興味や学びを広げるための教育的な取り組みが必要となり、習い事などで金銭的な負担も大きくなる可能性があります。
さらに、子どもの将来について親がより具体的に考える時期でもあり、教育方針に悩むことも少なくありません。この時期は、子どもの安全と教育のバランスを考慮しながら、豊かな経験を積ませるサポートを心がける必要があります。
なお、子育ての大変さについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
関連記事:子育ての大変さがわかる7つの具体例|大変さを乗り切るためのポイントをご紹介します! | こそだて+
共働きの子育てで心がけたい7つこと
次に、共働きの子育てで心がけたいことについて解説します。それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.家事は必要最低限にする
必要な家事について、一度見直してみることをおすすめします。1日の時間は24時間と限られており、育児に追われるなかで家事に割く時間はさらに限定されます。
そのため、完璧を目指すのではなく、必要最低限の家事に絞り、効率的に家事をする意識を持つことが大切です。たとえば、細かな家事は時間が取れる休日にまとめて行うなど、無理のない家事の配分を心がけましょう。
これにより、日々の負担を軽減し、育児とのバランスを取りやすくなります。
2.夫婦で家事や育児を分担する
共働きの家庭では、家事や育児の分担が不可欠です。お互いの得意分野を活かし、不得意な部分を補い合うことで、家事や育児の負担を均等にしましょう。
また、固定的な役割分担に固執せず、状況に応じて柔軟に対応する姿勢が大切です。仕事と家庭の両方で支え合い、コミュニケーションを密に取りながら、育児の喜びを共有することが、共働き家庭における充実した子育ての秘訣です。
3.時間を効率化する
共働きの夫婦の場合、家事や育児に割ける時間が限られているため、できる限り時間を効率化できるように意識してみてください。たとえば、洗濯乾燥機や自動調理鍋、ロボット掃除機などの便利家電を活用すれば、家事の時間が短縮できます。
また、ネットスーパーや食材の宅配サービスを利用するのも効果的です。これらの便利なサービスや最新家電などの便利アイテムを活用し、時間の効率化を図ってみてください。
4.子どもと接する時間をつくる
共働きの家庭では、子どもとの時間が十分に取れないことに罪悪感を抱くケースも少なくありません。このような場合、1日30分だけでも子どもと接する時間をつくることをおすすめします。
短い時間でも子どもと積極的に過ごすことで、親子の絆を強め、子どもに安心感を与えられます。この時間は子どもの話を聞く、一緒に遊ぶ、絵本を読んであげるなど、子どもの興味に合わせて選びましょう。
忙しい毎日のなかでも、質の高い親子の時間を設けることで、育児の楽しさを再発見できます。
5.周囲に頼る
実家が近い場合、家族の協力を得ることは共働き家庭の大きな支えになります。保育園の送迎や帰宅するまでの一時的な子どもの預かりをお願いすることで、精神的、体力的な負担が軽減されます。
また、信頼できる友人や専門家とのつながりを持つこと、自治体や民間のサポートサービスを活用することも、日々のストレスを減らし育児の負担を軽くする効果的な方法です。
これらの支援を上手に組み合わせることで、共働き家庭もより安心して子育てに臨めます。
6.夫婦でスケジュールを共有しておく
夫婦間でのスケジュール共有は、共働き家庭において非常に重要です。仕事のスケジュールだけでなく、子どもの保育園や幼稚園の送迎、習い事など、家族全員の予定を管理することで、大事な予定を忘れたり、夫婦間での共有の漏れを防いだりできます。
また、お互いの仕事やプライベートの状況をリアルタイムで把握できれば、子どもの突発的な体調不良の際にも、どちらが対応するか迅速に判断が可能です。スケジュール共有は、家庭内コミュニケーションの促進にもつながり、夫婦間の協力体制の強化を実現します。
7.共働きならでのはメリットに目を向ける
共働きでの家事や育児は大変な場合が多いですが、共働きだからこそのメリットもあります。世帯収入の増加は、子どもの教育資金の確保や生活費に余裕が生まれるという利点があります。
また、どちらかに不慮の事態が生じた場合も、もう一方の収入により家計を支えられるため、大きな安心感があるのも特徴です。さらに、仕事から得られるやりがいも、精神的な満足感につながります。
このような経済的、精神的メリットを最大限に活かしつつ、バランスの取れた家庭生活を目指しましょう。
共働きの家庭が夫婦円満でいるための5つのコツ
最後に、共働きの家庭が夫婦円満でいるためのコツを紹介します。
- お互いの仕事を尊重する
- 些細なことでもコミュニケーションを心がける
- お互いの不満をため込まない
- 休みの日を家族で満喫する
- 感謝を言葉にする
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.お互いの仕事を尊重する
共働きの家庭が夫婦円満に過ごすためのコツは、お互いの仕事を尊重することです。お互いの職場や仕事に対する価値観を理解し、認め合いましょう。夫婦それぞれが異なる職場でストレスや責任を抱えていることを忘れず、お互いの努力を認めてあげることが大切です。
また、仕事で遅くなる日は事前に連絡を取り合い、家事や育児の分担を柔軟に対応するなど、日々のコミュニケーションを大切にするのが円満な関係を築くポイントです。さらに、仕事で困難に直面した際も共に支え合うことで、夫婦関係はより強固なものになります。
2.些細なことでもコミュニケーションを心がける
共働きの家庭において夫婦円満を保つためには、些細なことでもコミュニケーションを心がけることが重要です。お互いの日常や感じたことを共有する時間を持つことで、理解し合い、絆を強められます。
たとえば、一日の終わりにその日にあったことや感じたことを話し合う、食事の時間を共有するなど、小さな瞬間を大切にするのがポイントです。コミュニケーションを通じて、お互いの思いやりを形にし、夫婦円満な家庭生活を実現しましょう。
3.お互いの不満をため込まない
共働きの家庭で夫婦円満に過ごすためには、お互いの不満をため込まないことが大切です。不満が溜まると、それが原因で夫婦関係に亀裂が生じやすくなります。
大切なのは、不満がまだ小さいうちに相手に伝えることです。伝える際は、ただ非難するのではなく、具体的な事例を挙げて「なにが不満なのか」をわかりやすく伝えましょう。
また、相手の話をじっくり聞き、理解しようとする姿勢も欠かせません。お互いの不満をため込まず、オープンなコミュニケーションが夫婦円満への道を拓きます。
4.休みの日を家族で満喫する
共働きの家庭で夫婦円満を維持するコツの1つに、休みの日を家族で満喫するという工夫が挙げられます。忙しい日々を送るなか、休日を家族で過ごすことは、家族の絆を強め、ストレスを癒やす絶好の機会です。
休日を利用して家族でアウトドアに出かけたり、映画を観たり、一緒に料理するなど、共通の趣味や活動を楽しみましょう。このような体験は家族間のコミュニケーションを促進し、お互いの理解を深める効果があります。
また、家族での予定を計画する際は、全員の意見を尊重することも大切です。家族みんなで決めた予定は、より一層の満足感と幸福感をもたらします。
5.感謝を言葉にする
共働きの家庭で夫婦円満を保つために大切なのは、感謝を言葉にすることです。忙しい日々のなかでも、パートナーの努力や協力に対して感謝の気持ちを伝えることは、相手を労うと同時に、互いの絆を強化します。
たとえば、家事や育児、仕事のサポートなど、当たり前になっている日常の努力に対して「ありがとう」「助かるよ」というシンプルな言葉が、相手を励ますとともに夫婦関係をより良好なものにします。
感謝の言葉は、相手に対する敬意と愛情の表れです。これらを積極的に伝えることで、些細な誤解や不満が積み重なるのを防ぎ、お互いに対する理解と信頼を深めます。
まとめ
本記事では、共働きで子育てしている家庭の割合や共働きの子育てが大変な理由、共働きの子育てで心がけたいこと、共働きの家庭が夫婦円満でいるためのコツについて解説しました。
共働きのご家庭では、時間的な制限も多く、家事や育児の負担がどちらかに偏ってしまっているご家庭も少なくありません。また、慢性的な睡眠不足やパートナーとのコミュニケーションの不足が原因で、些細なことにイライラしたり、口論になったりするケースもめずらしくないです。
このような状況を避けるためには、家事を必要最低限に絞ったり、夫婦間で育児や家事を分担をしたり、時間を効率化することが大切です。さらに、子どもと接する時間を設けたり、パートナーへ日頃の感謝を言葉にして示すことが、良好な親子関係や夫婦関係の構築につながります。
子育てや家事は夫婦で分担し、協力して子育てを楽しもうとする姿勢が大切です。