「年子なんて無理」「ありえない」という声を耳にして不安になった方もおられるのではないでしょうか。年齢が近い兄弟姉妹を育てる年子育児は、確かに大変な面もありますが、工夫次第で乗り越えられる場合やメリットも多くあります。
本記事では、年子育児が「ありえない」と言われる理由や年子育児にしかないメリットをご紹介します。また、年子育児を乗り切るためのコツも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
年子育児が「ありえない」と言われる3つの理由とは？
まずは、年子育児が「ありえない」と言われる理由について紹介します。
- 体力的・精神的な負担が大きい
- 育児の大変な時期が重なる
- 金銭的な出費が重なりやすい
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
体力的・精神的な負担が大きい
年子育児では、日常のあらゆる場面で体力と時間のやりくりに追われます。赤ちゃんと幼児を同時に世話をするなかで、食事や睡眠、遊びなどの対応が重なり、気が休まる瞬間が少なくなります。
移動や外出する際には、それぞれの安全を確保しながら荷物も抱える必要があるため、肉体的な負担も増大しがちです。さらに、生活リズムのずれによって気が休まらない状況が続く場合も多く、精神的な疲れも積もりやすくなります。
育児の大変な時期が重なる
年子育児では、上の子も親の手助けが欠かせない年齢のため、下の子の誕生と同時に2人分の育児を同時進行で行わなければなりません。食事の介助やオムツ替え、着替えのサポートなど、日常的なケアが重なり、1日のほとんどが子どもたちの世話に追われます。
個々の成長段階に合わせた対応が求められるため、親にとっては効率よく動く工夫や体力の維持が欠かせません。短期間で育児が一段落しますが、負担は一時期に集中する点が年子育児の特徴です。
金銭的な出費が重なりやすい
年子育児では、日々の生活費に加えて同時進行で発生する育児関連の支出が家計を圧迫します。おむつやミルクなどの消耗品、成長に応じた衣類や備品の買い替えも2人分必要になる場合が多く、出費が自然と増えていきます。
さらに、教育資金や保育園の準備費用が短期間で重なり、まとまった支払いが続く場合も少なくありません。家計への影響を軽減するには、早い段階から計画的な資金管理が求められます。
年子育児にしかないメリットは5つ
次は、年子育児にしかないメリットについて紹介します。
- ベビーグッズを共有しやすい
- お互いに遊び相手ができる
- 上の子の赤ちゃん返りが少ない
- 育児経験が短期間で活かせる
- 子育ての期間が短い
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
ベビーグッズを共有しやすい
年子育児では、上の子が使い終えた育児アイテムをすぐに下の子で使用できるため、無駄になりにくく効率的です。ベビーベッドやおもちゃ、洋服などを一時的に片付ける必要がなく、収納スペースに悩まされにくい点も魅力です。
さらに、年齢が近いため、使える時期が重なりやすく、状態のよいまま再利用できます。必要な物を買い直す手間やコストが抑えられ、準備や管理の負担も軽減できる点が、年子ならではの実用的なメリットです。
お互いに遊び相手ができる
年子のきょうだいは成長段階が近いため、関心を持つ遊びやおもちゃが似ている場合が多く、自然と一緒に遊ぶ時間が増えていきます。一方が遊び出すともう一方も興味を示して、並んで同じ遊びに夢中になる場合も少なくありません。
こうした日常のやり取りを通じて、協調性や思いやりが育まれていく様子を間近で見られるのは、年子育児ならではの楽しさです。遊びを通じてきょうだいの絆が深まるのは、親にとっても嬉しい瞬間です。
なお、2～3歳ごろに見られる平行遊びについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
上の子の赤ちゃん返りが少ない
年子育児では、上の子が幼く自我が芽生える前に下の子が誕生するため、赤ちゃん返りの症状が出にくい傾向があります。きょうだい間の年齢差が小さいと、上の子自身も赤ちゃんの感覚に近く、下の子への対抗心や甘えの表現が目立ちにくい点が特徴です。
このため、感情面でのフォローが比較的少なく済み、育児の手間が軽減されるケースもあります。精神的な負担が和らぐという点も、年子育児の1つのメリットです。
育児経験が短期間で活かせる
上の子で覚えた授乳やおむつ替え、生活リズムの整え方などの経験を、下の子の育児にすぐ応用できるため、育児方法を調べなおす必要がない点が年子育児のメリットの1つです。また、育児に必要な道具の扱いや段取りも身体に染みついているため、慣れた手つきで日々の対応ができ、精神的にも余裕を持ちやすくなります。
連続した育児が逆にスムーズさを生む点については、年子育児ならではの特徴です。
子育ての期間が短い
年齢が近いため、授乳やおむつ替えなどの手間が一度に集中しますが、その分、子どもたちの自立もほぼ同時期に訪れます。また、出産や育児による職場からの離脱も一度で済む場合が多く、長期的なキャリアプランを立てやすいのもメリットです。
育児がひと段落する時期が明確になることで、家庭と仕事の両立を見通しやすくなる点も年子育児の魅力です。
年子育児を乗り切るためのコツは5つ
次は、年子育児を乗り切るためのコツについて紹介します。
- 完璧を求めない
- 夫婦で役割を分担する
- 上の子との時間を意識的に作る
- リフレッシュできる時間を持つ
- 周囲のサポートを積極的に活用する
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
完璧を求めない
年子育児の毎日は慌ただしく、家事や育児をすべて完璧にこなすのは難しくて当然です。思い通りに進まない日があっても、それは決して失敗ではありません。
掃除が後回しになったり、食事に冷凍食品を取り入れたりするのも立派な工夫です。無理に理想を追いすぎず、「今日はこれで十分」と自分を認めてあげることが大切です。
手を抜くことは甘えではなく、限られた時間と体力をうまく使うための知恵です。自分をいたわる余裕が、育児を続ける力になります。
夫婦で役割を分担する
日々の忙しさのなかで役割を共有して、どちらか一方に負担が偏らないよう心がけることが大切です。授乳や寝かしつけ、買い物など、日々のタスクを話し合って分担すれば、精神的な余裕も生まれやすいです。
また、相手の努力に対して感謝を言葉で伝え合うことが、信頼関係を保つためには欠かせません。小さな協力と気遣いの積み重ねが、育児と家庭の安定につながります。
なお、共働き家庭での家事分担については、こちらの記事で詳しく解説しています。
上の子との時間を意識的に作る
年子育児では、下の子への対応に追われるなかで、上の子の心のケアが後回しになりがちです。しかし、上の子も甘えたい盛りであり、親の関心が薄れたと感じると、不満を行動で示す場合があります。
このような場合、数分でも上の子と向き合う時間を意識的に取りましょう。一緒に笑ったり話したりするだけでも、安心感につながります。「自分も大切にされている」と実感できれば、上の子の心も満たされ、家族の雰囲気も穏やかになります。
リフレッシュできる時間を持つ
年子育児の忙しさのなかでも、自分を大切にする時間を持ちましょう。たとえ短時間でも、好きな飲み物をゆっくり味わったり、深呼吸して気持ちを整えたりするだけで、気分がリセットされます。
家族の協力を得て、たまには1人の時間を確保できると、心に余裕が生まれ、子どもにも優しくなれます。自分をいたわることは、決してわがままではありません。日々の育児を元気に乗り越えるためにも、自分を労わってあげてくださいね。
なお、子育て中のリフレッシュにおすすめの趣味については、こちらの記事でご紹介しています。
周囲のサポートを積極的に活用する
年子育児を無理なく続けるためには、身近な家族や親せきに子守をお願いしたり、自治体の一時保育やファミリーサポートなどの公的支援を活用したりするのも1つの手段です。
また、支援センターや地域の交流イベントに足を運ぶと、同じような悩みを持つ親とつながり、気持ちが軽くなる場合もあります。1人で頑張りすぎず、必要なときには助けを求める姿勢が、長く育児を続けるための鍵になります。
まとめ
本記事では、年子育児が「ありえない」と言われる理由や年子育児にしかないメリット、乗り切るためのコツをご紹介しました。
年子育児は「ありえない」と言われるほど、体力的・精神的な負担や育児・金銭面の大変さが一度に押し寄せる厳しさがあります。しかし、ベビーグッズの共有やお互いの遊び相手の存在、赤ちゃん返りの少なさなど、年子ならではのメリットも多くあります。
年子育児では、すべてを完璧にこなそうとせず、夫婦で協力しながら無理のない育児スタイルを見つけることが大切です。さらに、周囲のサポートを頼り、笑顔で過ごせる時間を少しでも増やす工夫が年子育児を乗り越える鍵になります。
