子育てには、多くの喜びや感動がありますが、しんどいと感じる場面も少なくないですよね。子育て中の精神的な負担やストレスは、子育てへの向き合い方や考え方により、大きく変わります。
この記事では、子育てがしんどいと感じる理由やしんどいと感じたときに注意して欲しいことについて解説します。また、子育てがしんどいと感じる前に知っておきたい考え方についても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
子育てがしんどいと感じる7つの理由
子育てには、数えきれないほどの喜びがありますが、一方で「しんどい」と感じる場面も少なくありません。それでは、どのようなときにしんどいと感じることが多いのでしょうか。
ここでは、子育てがしんどいと感じる理由を7つ紹介します。それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.子どもがぐずっている理由がわからない
幼い子どもがぐずるのは、子どもたちなりのコミュニケーション手段です。とくに、言葉を話せない赤ちゃんの場合、泣き声はお腹が空いたり、眠たいといった気持ちを表現する唯一の方法です。
しかし、親としては、泣いている理由を正確に把握することが難しい場合もあります。たとえ言葉が話せるようになっても、子どもが何に悩んでいるのか理解するのは簡単ではありません。
子どもたち自身も、不満や欲求を上手く言葉にできない場合が多く、その結果、親子共にストレスを感じるケースも少なくありません。このように、子どもの気持ちは複雑で、親としてはそのサインを見極め、理解しようとする努力が必要です。
2.睡眠時間が確保できない
子育て中は、十分な睡眠時間を確保するのが難しいですよね。夜泣きや寝かしつけ、さらには食事の準備やお風呂といった子どもの世話で、夜遅くまで手がかかります。
さらに、子どもが寝静まった後も家事が待っているため、睡眠時間を削ることが多くなります。結果として、睡眠不足は避けられず、疲労とストレスが蓄積していく一方です。
睡眠は身体と心の健康に不可欠であるため、子育てと家事のなかでどうにかバランスを見つけることが重要です。
3.頼れる人が周囲にいない
近年は「ワンオペ育児」という言葉のとおり、1人で子育てを担う親が増えており、その結果、多くの人が疲労やさまざまな悩みを抱えています。子育ての負担は、周囲に頼れる人がいるかどうかで大きく変わります。
しかし、パートナーが忙しくて家庭にあまり関われない、実家が遠くサポートを受けにくいなど、さまざまな事情で支援を受けられない家庭も少なくありません。
このような困難な状況を克服するためには、地域コミュニティの活用、友人や家族とのコミュニケーションを深めるなど、積極的にサポートネットワークを構築することが大切です。
4.完璧を目指し過ぎている
子育てにおいて完璧を目指し過ぎるという心理は、多くの親が無意識のうちに抱えています。愛情深い親ならば、自然と子どもに最善を尽くしたいと考え、その結果、自分に厳しい基準を課してしまいがちです。
たとえば、「食事は毎回手作りでなければならない」「家は常に清潔に保たなければいけない」といった思い込みが、心と体の両方にプレッシャーをかけます。
しかし、このような完璧主義は、気づかぬうちに心身の疲労やストレスを蓄積させ、子育てを「しんどい」と感じさせる大きな原因になります。実際は、子どもにとって親が完璧であることよりも、幸せでリラックスしていることの方がずっと重要です。
5.子どもが言うことを聞いてくれない
2〜3歳の「イヤイヤ期」は、子どもの成長過程で避けては通れない大切な時期です。この時期になると、子どもは「自我」が芽生え、「自分で決めたい」「自分の意志を持ちたい」という欲求が強まります。
この自立心の芽生えは、子どもの健全な成長の証しであり、個性や自尊心を育むための大切な時期です。しかし、このイヤイヤ期は親にとって大きな挑戦でもあります。
子どもが何でも拒否し、自分の意見を強く主張するようになると、親子間での衝突が起こりやすくなり、子どもが言うことを聞かないときは、疲れやストレスを感じてしまいます。
この期間、親は忍耐力を持ち、子どもの自立を支えつつ、安全な環境で自己表現させることが大切です。
6.自分の時間がない
子どもが産まれると、自分の時間は大きく制限され、日々の生活は子ども中心になりがちです。しかし、自分自身を大切にする時間を持つことは、精神的なバランスを保つために非常に重要です
たとえば、好きな食べ物や飲み物を楽しむ、友人との会話を楽しむ、ゲームや読書などの趣味に没頭する時間は、心を豊かにし、日々の子育てでのストレスを軽減します。
しかし、子育て中はこれらの時間を確保するのが難しいのも事実です。だからこそ、小さな時間でも自分を大切にすることが重要です。スマホを眺める短い時間でも、自分のための時間として意識することで、心の余裕を持つことができます。
子育てにおいては、自分の時間を作ることも子育ての一部と考え、家族やパートナーとの協力を通じて、バランスを取りながら生活するようにしてみてください。
7.子育てと家事を両立しなければならない
子育てと家事の両立は、多くの親にとって大きな負担となりがちです。毎日の子育てに加えて、掃除や洗濯、料理などの家事をこなさなければならないため、肉体的にも精神的にも大きなストレスとなります。
また、子どもの世話は予測不可能で、計画通りに進むことは少なく、家事の時間が限られてしまう場合も少なくありません。このような状況では、効率的な時間管理や家族のサポートが不可欠です。
子育てがしんどいと感じたときに注意して欲しい3つのこと
ここからは、子育てがしんどいと感じたときに注意して欲しいことについて紹介します。
- 子どもやパートナーに感情的になる
- ストレスによる不調
- 育児うつ
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.子どもやパートナーに感情的になる
子育て中のストレスや精神的な負担が増大すると、その影響は育児をしている本人だけでなく、家族にも波及します。ストレスがピークに達したり、感情のコントロールが難しくなったりすると、パートナーや子どもに対して怒りやすくなり、些細なことで衝突する頻度が増加します。
これは、家庭内のコミュニケーションと関係性に悪影響をおよぼし、パートナーとの口論の原因になることも少なくありません。また、家庭内の緊張や不和は、子どもにとって精神的なストレス源となり、子どもの健全な成長に悪影響を与える可能性もあります。
感情的な安定を欠いた環境は、子どもの心に不安を植え付け、信頼関係の構築を困難にします。これらの影響は、時に精神的な虐待と捉えられるケースもあり、子どもの健全な成長を妨げる1つの要因です。
このような悪循環を避けるためには、親が自身のストレスを認識し、適切に管理することが重要です。サポートを求めること、自己ケアに時間を割くこと、そして家族内でのオープンなコミュニケーションを維持することが、健全な家庭環境を保つ鍵となります。
2.ストレスによる不調
ストレスは心身の健康に多大な影響をおよぼします。とくに、日常生活でのストレスが解消されずに積み重なると、ホルモンバランスや自律神経系の乱れを引き起こし、頭痛や吐き気といった身体的な不調の原因となる場合があります。
これらの症状は、単なる一時的な不調に留まらず、精神的な問題にもつながりやすいです。気分の落ち込みや無気力感は、ストレスが長期間にわたって心に影響をおよぼしている証拠といえます。
ストレスを感じたときは、適度な運動をしたり、趣味や興味を持つ活動へ参加したりするなど、心のケアを大切にしてください。
3.育児うつ
育児うつは、育児中の身体的、精神的ストレスによって引き起こされるうつ状態です。子どもの年齢に関係なく発生する可能性があり、育児期間中いつでも起こり得ます。
予防策としては、周囲に相談しサポートを求めること、十分な睡眠を取ること、完璧を求め過ぎないことが重要です。
育児うつの症状には悲しみ、興味喪失、疲労、意欲低下などがあり、これらが長期間続く場合は専門の医療機関へ相談するようにしてください。無理をせず、早めに助けを求めることが大切です。
子育てがしんどいと感じる前に知っておきたい5つの考え方
最後に、子育てがしんどいと感じる前に知っておきたい考え方を紹介します。
- 自分だけの時間を作る
- 自分を責めない
- 周囲の声や情報に惑わされすぎない
- 子育ての悩みは周囲に相談する
- 子育ての楽しみを見つける
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.自分だけの時間を作る
子育てには休みがありませんよね。とくに、小さな子どもがいる場合、日々は一段と忙しくなります。育児や家事が思うように進まないときのイライラや、気づかないうちに溜まる心身の疲れは、大きな負担です。
このような状況の場合、自分自身のためにも、積極的に周囲のサポートを求め、自分だけの時間を作るようにしてみてください。自分の時間を確保することにより、ストレスが解消でき、子育てにもよい影響を生みます。
もし、身近に頼れる人がいない場合でも、公的支援や民間のサービスの利用により、必要な休息を取ることが可能です。自分の健康を守りながら、子育ての質も高めるために、周囲の資源を上手く活用しましょう。
2.自分を責めない
子育てでは、上手くいかないことを自分のせいにしすぎないことが重要です。子どもが親の言うことを聞かないのは自然なことです。また、子育てに絶対的な正解は存在しません。
子どもは、それぞれがユニークな性格や感性、成長のペースを持っており、一様な方法がすべての子どもに当てはまるわけではありません。子育てが辛いと感じるのは、親としての責任ではなく、多くの親が経験する共通の体験です。
自分を責めず、育児の難しさをパートナーや家族と共有し合い、サポートを求めることで、子育ての喜びを再発見してみてください。
3.周囲の声や情報に惑わされすぎない
現代の情報社会では、子育てに関するさまざまな情報が存在します。インターネットをはじめとするメディアからは、「子育てはこうあるべきだ」といったメッセージが絶えず発信されており、これらの情報に触れることで、自分の子育てに自信をなくしたり、不安に感じたりする場合があります。
しかし、周囲の声や情報に惑わされすぎることは、かえって育児のしんどさを増す原因の1つです。大切なことは、外部からの情報に振り回されるのではなく、目の前にいる子ども一人ひとりの個性に目を向け、その子に合った育児を心がけることです。
子どもが健康で幸せに成長していくことが最優先であり、小さな成功を喜び、時には失敗から学びながら、共に成長していく姿勢が大切になります。
4.子育ての悩みは周囲に相談する
子育て中に感じる悩みや不安は、一人で抱え込むと心身の負担が増大します。そこで大切なのが、周囲に相談することです。
パートナーや家族、友人など、信頼できる人たちに相談することで、思わぬ解決策や心強いアドバイスが得られることも少なくありません。また、同じような悩みを持つほかの親と情報を共有することで、自分だけが悩みを抱えているわけではないという安心感が得られます。
子育ての悩みを周囲に相談することは、精神的な孤立を防ぎ、心の支えを得る第一歩です。
5.子育ての楽しみを見つける
子育てはときに大変なものですが、そのなかには数えきれないほどの喜びや楽しみが隠れています。子どものはじめての言葉やつかまり立ちなど、共に過ごす特別な瞬間は、貴重な宝物です。
また、子どもと一緒に遊ぶことや自然のなかでの探索など、親子で共に楽しめる活動は親子の絆を強め、生涯の思い出となります。子育ての楽しみを見つけることは、日常の疲れを忘れさせ、育児のモチベーションを高めてくれます。
ぜひ、子育ての楽しみを見つけて、その一瞬一瞬を大切にしてくださいね。
まとめ
この記事では、子育てがしんどいと感じる理由や注意して欲しいこと、しんどいと感じる前に知っておきたい考え方について紹介しました。
子育ては、喜びや感動に満ち溢れている一方で、精神的・肉体的な負担が大きいものです。しかし、これらの負担は、子育てのなかで「正解」を強く意識してしまったり、上手くいかないことを責めてしまったりする傾向が強いことで、自身を苦しめている可能性もあります。
そのため、少しだけ肩の力を抜いて、自分だけの時間を楽しんだり、悩みを周囲に相談したりするなど、心のケアをしっかりとすることが大切です。