子どもの癇癪やぐずりなどにより「もうイヤイヤ期なの?」と悩まれている方もおられるのではないでしょうか。イヤイヤ期は、一般的に1歳半頃からはじまるとされていますが、子どもの個性や特徴によっては、それよりも早く現れる場合があるため、接し方には注意が必要です。
本記事では、イヤイヤ期が早い子どもの特徴や理由をご紹介します。また、イヤイヤ期が早い子どもと接する際のポイントや注意点も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
イヤイヤ期とは?
イヤイヤ期とは、子どもの自己主張が強くなり、親の言葉に対して反抗的な態度をとる時期です。親の提案や指示に対して、「イヤ!」と拒否する場面が増えるため、イヤイヤ期と呼ばれています。
この時期は、子どもが自分の意志を持ちはじめ、成長している証でもあります。親にとっては試練の時期かもしれませんが、子どもの気持ちを尊重しながら適切に向き合うことが大切です。イヤイヤ期の特徴を理解して、子どもの成長を温かく見守りましょう。
イヤイヤ期が起こる理由
イヤイヤ期の背景には、思考や感情の調整、判断力を担う大切な部分である前頭前野の発達の遅さが関係しています。これらは、6歳頃までは緩やかに成長し、学童期に入ると急速に発達するのが特徴です。
このため、幼い子どもがすぐに泣いたり怒ったりするのは、脳の構造上自然なことです。親としては、子どもの行動を「未熟だから」と理解して、冷静に対応しましょう。感情を否定せず、言葉で伝える力を養うサポートをすると、子どもは少しずつ「我慢する力」を身につけていきます。
一般的なイヤイヤ期の期間
イヤイヤ期は、一般的に1歳半頃からはじまり、2歳頃にピークを迎えるケースが多いとされています。しかし、時期には個人差があり、早い場合は1歳前後から、長い場合は4歳頃まで続く場合もあります。
この時期の子どもは、自分の意思を正しく表現する能力が未発達のため、思い通りにならない場面で「イヤ!」と拒否する場合が多いです。イヤイヤ期を乗り越えるには、子どもの気持ちを尊重しながら、適切な声掛けや接し方を工夫することが大切です。
イヤイヤ期が早い子どもの特徴
イヤイヤ期が早い子どもは、好奇心旺盛で新しいことに興味を示しやすい傾向があります。自分でやりたい気持ちが強く、大人の手を借りずにやりたいと感じる場面が増えるため、思い通りにならないと強く反発してしまいがちです。
さらに、言葉の発達が追いつかず、自分の気持ちを上手に表現できないため「イヤ!」と感情的に反応するケースもあります。このため、保護者は、子どもの主張を受け入れながら、言葉での表現をサポートしてあげることが大切です。
イヤイヤ期が早い子どもと接する際のポイントは3つ
次は、イヤイヤ期が早い子どもと接する際のポイントについて解説します。
- 伝え方を工夫する
- 子どもの発言に耳を傾ける
- 安心させてあげる
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.伝え方を工夫する
子どもが早い段階でイヤイヤ期を迎える場合、周囲の出来事に対する関心が高く、自分の意志を持つことに積極的である傾向が見られます。自分で考えて行動しようとする気持ちが強くなるため、大人の指示に対して抵抗を示す場合があります。
また、この時期の子どもは感情のコントロールが未熟なため、言葉で伝えるよりも行動で示そうとするケースが多いです。また、行動を促す際には、単に指示を出すのではなく、子どもが自ら決めたと感じられるような言い方を工夫すると効果的です。
選択肢を用意して、「どっちがいい?」と聞くと、主体性を育みながらスムーズに行動できるようになります。
2.子どもの発言に耳を傾ける
イヤイヤ期の子どもは、感情がうまく表現できずに泣いたり怒ったりする場合が多いため、子どもが何を求めているのかを大人が察してあげる必要があります。
保護者の方は、子どもの気持ちを受け止めながら、子どもが言語化できない部分を「〇〇が食べたいの?」などと代弁してあげてください。また、短く簡単な言葉で寄り添ってあげる思いやりが大切です。
3.安心させてあげる
子どもは思い通りにならないときに、強く反発したり、感情的になる場合があります。しかし、大人がすぐに否定したり、力で抑え込もうとしたりすると、子どもはさらに抵抗を強めてしまう場合があります。
このため、子どもの気持ちを受け止め、何に困っているのかを理解する姿勢が大切です。言葉でうまく伝えられない場合もあるため、表情や仕草から気持ちを汲み取れるように意識しましょう。子ども自身が納得できるように、一緒に解決策を考えてあげると、自分の意見を伝える力や自主性が育まれます。
イヤイヤ期が早い子どもと接する際の注意点は3つ
次は、イヤイヤ期が早い子どもと接する際の注意点について解説します。
- 叱り過ぎない
- 突き放さない
- 脅さない
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.叱り過ぎない
イヤイヤ期の子どもは、何かを拒否して自分の意思を示そうとしますが、ときには自分自身でも気持ちを整理できず、戸惑っている場合があります。このような場合、大人が冷静に寄り添い、安心感を与えてあげることが大切です。
子どもの言葉や態度に過敏に反応するのではなく、気持ちを受け止めながら穏やかに接しましょう。大人が落ち着いた態度を示すと、子どもも安心して、少しずつ感情を整理できるようになります。
2.突き放さない
イヤイヤ時の子どもは、自分の意思を伝えようとするものの、思い通りにならないことで強く反発する場合があります。大人としては、必要な場面では毅然とした対応をしつつも、過度に叱ったり、突き放したりするのは避けるべきです。
感情的な対応は、子どもの反発心を強め、状況を悪化させる場合があります。一度、深呼吸して落ち着いてから、伝えるべき内容は簡潔に、冷静な口調で話すと、子どもも理解しやすくなります。
3.脅さない
イヤイヤ期の子どもは、自分の気持ちをうまく言葉にできず、感情をぶつけて表現しようとします。こうした姿を目の当たりにすると、つい感情的になったり、「置いて帰るよ」などと脅したりしてしまいがちです。
しかし、脅すという行為は、あくまで対処療法です。こうした親の言動が子どもの心にトラウマを植え付ける可能性も考えられます。
イヤイヤ期が終わる兆候は3つ
次は、イヤイヤ期が終わる兆候について解説します。
- 気持ちのコントロールが上手になった
- 気持ちを言葉で伝えられるようになった
- 人を思いやれるようになった
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.気持ちのコントロールが上手になった
子どもが思い通りにならずに怒っていたのに、ふと気持ちを切り替えて落ち着く場合があります。これは、自分の気持ちを調整しながら興味の対象を変える力が育っている証拠です。
また、感情をコントロールしようとしてもうまくいかず、突然全く異なる要求をする場合もあります。「公園に行きたい!」と泣いていたのに、次の瞬間「お菓子が食べたい!」と言う場合、今すぐ公園には行けないと理解して、別の方法で満足しようと考えた可能性があります。
実際にお菓子をあげても機嫌が直らない場合もありますが、「自分で我慢しようとしたんだね」と努力を認めてあげましょう。
2.気持ちを言葉で伝えられるようになった
子どもの成長過程において、一般的には2歳前後で2語文、3歳前後で3語文を話せるようになる子が多い傾向です。このような成長によって、自分の気持ちを言葉で伝えられる場面が多くなります。
今までは「イヤ!」という受け答えだったものが、「なぜイヤなのか」応えられるようになるため、子どもの欲求が理解しやすくなり、結果的に子どもの感情に寄り添いやすくなります。
3.人を思いやれるようになった
子どもが成長するにつれて、パパやママの表情や言葉から喜びや困惑を感じ取る力がついてくると、自己主張だけでなく相手の気持ちを考える行動が増えていきます。その結果、これまで強くこだわっていたことへの執着が和らぎ、感情の爆発も少しずつ落ち着いていくようになります。
このような変化は、成長の大きな一歩であり、子ども自身が周囲とよりスムーズに関わる土台となっていくに違いありません。
イヤイヤ期が長引く場合の対処方法
子どものイヤイヤ期が長引いても、すぐに病気や発達の問題を疑う必要はありません。イヤイヤ期の最中は、終わりが見えず不安に感じますが、成長とともに落ち着いていくものです。
この時期は、子どもが自分の気持ちを適切に表現できるよう、言葉を使って伝える力を育てることが大切です。このため、親は焦らず、子どもの気持ちを受け止めながら、なぜダメなのかを具体的に伝えて、少しずつ理解を促していきましょう。
男の子と女の子でイヤイヤ期に違いはあるの?
イヤイヤ期の有無や程度に、性別による明確な違いはありません。子どもの成長スピードや個性によって差が生じるものであるため、「男の子だから激しい」「女の子だから穏やか」といった要素は当てはまりません。
しかし、一般的に女の子のほうが言葉の発達が早い傾向があり、言葉での意思疎通がスムーズな場合、イヤイヤ期が早く感じられる場合もあります。
まとめ
本記事では、イヤイヤ期が早い子どもの特徴や理由、イヤイヤ期が早い子どもと接する際のポイントや注意点を解説しました。
イヤイヤ期は、子どもの自己主張が強くなり、親の言葉に対して反抗的な態度をとる時期です。この時期は、子どもが自分の意志を持ちはじめ、成長している証でもあります。
一般的には、イヤイヤ期は1歳半頃からはじまり、2歳頃にピークを迎えるケースが多いです。しかし、時期には個人差があり、早い場合は1歳前後から、長い場合は4歳頃まで続く場合もあります。
とくに、イヤイヤ期が早い子どもは、好奇心旺盛で新しいことに興味を示しやすい傾向があります。しかし、言葉の発達が追いつかず、自分の気持ちを上手に表現できないため「イヤ!」と感情的に反応するケースが多いのも特徴です。
イヤイヤ期は、親にとっても試練の時期になりますが、子どもを叱り過ぎたり、突き放したりせずに、穏やかな気持ちで子どもの言動に目や耳を傾けてあげてください。また、親の愛情を伝えたり、気持ちを代弁したりするなどの接し方の工夫も大切です。