はじめての子育てで「おしゃぶりって必要なの?」「いつから使用できるの?」という疑問を感じている方もおられるのではないでしょうか。おしゃぶりには、安心感を与える効果がある一方で、歯並びへの影響が懸念されるため、メリット・デメリットを正しく理解して使用するようにしましょう。
本記事では、おしゃぶりを使用するメリット・デメリットや効果をご紹介します。また、おしゃぶりを使用し始められる時期や選ぶポイントも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
おしゃぶりにはどのような効果があるの?
おしゃぶりは、赤ちゃんに安心感を与えるため、多くの家庭で使われているアイテムです。赤ちゃんがぐずったときや寝つきが悪いときにおしゃぶりを与えると、気持ちが落ち着き、親の負担も軽減されます。
また、指しゃぶりの代わりとして使えば、指しゃぶりが習慣化するのを防ぐ役割もあります。しかし、長期間使用すると歯並びに悪影響をおよぼすケースも少なくありません。このため、使用する際は、メリットとデメリットを理解して、適切なタイミングで卒業できるような工夫が大切です。
おしゃぶりを使用するメリット・デメリット
次は、おしゃぶりを使用するメリット・デメリットについて解説します。
- メリット
- デメリット
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
メリット
おしゃぶりを使用するメリットは、以下のとおりです。
- 安心感が得られる
おしゃぶりをすると、赤ちゃんが生まれながら持っている「吸啜反射」により、落ち着きやすくなり、泣き止みやすい。さらに、眠りにつきにくい赤ちゃんにも、スムーズな寝かしつけにつながる場合がある - 口周りの筋肉の発達
睡眠中の口が空いてしまうのを防ぎ、鼻呼吸を促す。これにより、日常的にも口から埃やウイルス、花粉などを吸い込みにくくする - 指しゃぶり防止
指しゃぶりは、歯並びへの影響や指の皮膚が乾燥してしまうなど、さまざまなリスクがある。指しゃぶりよりおしゃぶりの方が辞めやすいと言われているため、指しゃぶりの代用に使われる場合が多い
なお、指しゃぶりする子の特徴や理由については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:指しゃぶりする子の特徴や理由とは?気になる対処法やよくある質問を詳しくご紹介!
デメリット
おしゃぶりは赤ちゃんに安心感を与える一方で、長時間の使用には注意が必要です。おしゃぶりをくわえている間は発声しにくく、言葉を覚える機会が減る場合もあります。
また、乳臼歯(奥歯)が生え揃ったあとも長期間使用すると、歯並びに影響する可能性があります。さらに、鼻や喉が陰圧になるため、耳管へ悪影響をおよぼして中耳炎になるケースも少なくありません。赤ちゃんが物を舐めて得られる感覚の発達にも影響するため、適度な使用を心がけましょう。
おしゃぶりはいつから使用できる?
おしゃぶりは、新生児から使用できる育児アイテムのひとつです。赤ちゃんは、何かを口にくわえて安心する傾向があり、おしゃぶりを使うと落ち着きやすくなる場合があります。
しかし、すべての赤ちゃんに必要なものではなく、使用するかは様子を見ながら判断しましょう。また、おしゃぶりには月齢ごとに適したサイズや形状があるため、新生児には新生児向けの商品を選ぶのがおすすめです。
おしゃぶりを選ぶ際のポイントは3つ
次は、おしゃぶりを選ぶ際のポイントについて解説します。
- 対象年齢
- 手入れのしやすさ
- 耐久性
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.対象年齢
おしゃぶりの対象月齢は、赤ちゃんの口の大きさや吸う力に合わせて設計されているため、成長に応じたものを選ばないと快適に使用できない場合があります。新生児には、柔らかく小さめのものが適しており、成長に伴い大きめでしっかりした作りのものに移行するのがおすすめです。
また、安全面を考慮して、サイズが合わないものを使用すると誤嚥のリスクが高まるため、定期的に見直すようにしましょう。
2.手入れのしやすさ
おしゃぶりは赤ちゃんが直接口に入れるものであるため、常に清潔に保つようにしましょう。使用後はしっかり洗浄して、適切な方法で消毒すると衛生的に使用できます。消毒には煮沸、電子レンジ、薬液などの方法があり、おしゃぶりの素材によって適した方法が異なります。
このため、購入時には手入れのしやすさや消毒方法を確認しておくと安心です。また、消毒後は清潔なケースに保管して、使用時にすぐ取り出せるようにすると便利です。
3.耐久性
赤ちゃんは、成長するにつれて噛む力が強くなるため、丈夫な素材で作られたものを選ぶと安心です。新生児のうちは、歯が生えていないため比較的柔らかいものでも問題ありませんが、乳歯が生え始めると耐久性の高いものが必要になります。
また、形状によってくわえやすさが異なるため、赤ちゃんの好みに合ったものを見つけましょう。定期的に状態を確認して、劣化していないかチェックしながら使うようにしてください。
おしゃぶりを安全に使用するための注意点
おしゃぶりを安全に使用するための注意点は、以下のとおりです。
- 誤飲を防ぐために、パーツが分かれていない一体型のデザインを選ぶ
- 首ひもやクリップなどの付属品は窒息のリスクがあるため、使用を避けるのが望ましい
- 定期的に破損や劣化がないか確認して、消毒して清潔に保つ
- 無理に使用させるのは控える
- 医師の指示による鎮痛目的以外で、甘いものをつけて使用するのは避ける
- 授乳や食事の代わりに与えない
- 医師の指示がない限り、生後4~6週間の使用は避ける
- 生後6か月ごろからは常時使用するのは控え、2歳半ごろを目安に卒業できるようにする
おしゃぶりはいつまで使用していいのか
おしゃぶりの使用期間については、専門家の間でも意見が分かれており、明確な基準はありません。しかし、一般的な目安として、1歳を過ぎたら長時間の使用を控え、フォルダーを外すようにしましょう。
また、2歳半ごろを目安に、おしゃぶりを卒業するよう促すのが望ましいとされています。これは、おしゃぶりを長期間使用すると歯並びに悪影響が出る可能性があるためです。
しかし、2歳ごろまでに使用をやめれば自然と噛み合わせが整う場合が多いといわれています。
参考:小児の保健に関する小児科と小児歯科の検討委員会の設立について|日本小児歯科学会
おしゃぶりのやめ方
おしゃぶりを卒業する際は、無理にやめさせるのではなく、自然に使用する回数を減らしていくようにしましょう。まずは、おしゃぶりの使用頻度を少しずつ減らして、日中は遊びや別の方法で気を紛らわせるのが効果的です。
たとえば、たくさん体を動かすと、気持ちが落ち着き、おしゃぶりを求める機会が減っていきやすいです。また、寝るときだけ使うなどルールを決めると、徐々に手放しやすくなります。
このように、赤ちゃんが不安を感じないよう、スキンシップを増やしながら、無理のないペースで進めてください。
まとめ
本記事では、おしゃぶりを使用するメリット・デメリットや効果、選ぶポイントをご紹介しました。
おしゃぶりをすると、赤ちゃんが生まれながら持っている「吸啜反射」によって、泣き止んだり、スムーズな寝かしつけができたりします。さらに、睡眠中に口が空くのを防ぎ、鼻呼吸を促し、指しゃぶりの代用にもなります。
しかし、長時間使用すると、感覚や発声の発達、歯並びや中耳炎のリスクにも影響するため、適度な使用を心がけましょう。おしゃぶりは、新生児から使用できる育児アイテムのひとつですが、月齢ごとに適したサイズや形状を選ぶ必要があります。
また、おしゃぶりは一体型のデザインを選び、授乳や食事の代わりに与えたり、無理に使用したりするのは避けてください。生後6か月ごろからは常時使用するのは控え、2歳半ごろを目安に卒業できるようにしましょう。
おしゃぶりを卒業する際は、無理にやめさせるのではなく、スキンシップやルールを決めるなどして、自然に減らしていくのがおすすめです。