「赤ちゃんがなかなか寝てくれない」と、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。寝かしつけは、育児のなかでも多くの親御さんが苦労する時間の1つで、夜泣きや寝ぐずりが続くと、ママさんやパパさんも疲れてしまいますよね。
本記事では、赤ちゃんを寝かしつけるコツや寝ないときに考えられる理由をご紹介します。また、寝かしつけるアイデアや注意したい行動についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
赤ちゃんに必要な睡眠時間はどのくらい?
まず、赤ちゃんに必要な睡眠時間について解説します。
- 生後1か月まで
- 生後2か月~1歳まで
- 1歳~3歳
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
生後1か月まで
新生児の赤ちゃんは、1日のおよそ16時間を睡眠に費やします。短い覚醒時間をはさみながら、1~3時間ごとに眠るサイクルを繰り返すのが一般的です。
また、昼夜の区別がまだついておらず、眠りの半分ほどは浅いレム睡眠の状態です。このため、一定時間が経つと自然に目を覚ます場合があります。赤ちゃんのリズムに合わせ、覚醒時間の長さを考慮しながら、適切なタイミングで寝かしつけましょう。
生後2か月~1歳まで
赤ちゃんは生後1年までは、1日に必要な睡眠時間は約14~15時間とされ、午前と午後の2回のお昼寝が推奨されています。しかし、睡眠時間には個人差が大きく、長時間まとまって眠る子もいれば、短い間隔で目を覚ます子もいます。
月齢が進むにつれて昼夜の区別がつきはじめるため、4か月頃からは生活リズムを整えるようにしましょう。夜間の睡眠を安定させるためにも、お昼寝の時間やタイミングの工夫が大切です。
1歳~3歳
1歳を過ぎると運動量が増え、長時間まとまって眠れるようになります。1日に必要な睡眠時間はおよそ12〜13時間で、夜間に10時間ほど眠り、昼間に短時間のお昼寝をしてバランスを取るのが理想的です。
また、3歳頃になると体力がつき、お昼寝をしなくても元気に過ごせる子も増えてきます。生活リズムを整えるためにも、就寝時間を一定にして、十分な休息がとれるよう工夫しましょう。日中の活動量に応じて、適切な睡眠環境を整えてあげることが大切です。
寝かしつけは必ずしなければならないもの?
赤ちゃんを寝かしつけようとしてなかなか寝ないと、「そのままにしておいて大丈夫?」と不安になります。まずは、お腹が空いていないか、オムツがよごれていないかなど、不快な点がないか確認してあげましょう。
また、海外では、赤ちゃんが自然に眠るのを待つ家庭も多く、泣いてもすぐに抱き上げずに見守るのが一般的です。しかし、日本では近隣への配慮も必要であり、同じ方法を取り入れるのが難しい場合もあります。
赤ちゃんが寝ないときに考えられる理由
赤ちゃんがなかなか寝ない場合は、どうすればいいのか悩みますよね。赤ちゃんが寝ない主な原因としては、以下があげられます。
- お腹が空いている
新生児時期は授乳で頻繁に起きるが、生後2〜3か月ごろになると1回で飲める量も増える。その結果、個人差はあるが少しずつまとめて眠れるようになる - 不快感がある
おむつがよごれていたり、げっぷが出なかったりすると、不快感で眠れない場合がある。このため、赤ちゃんの様子を確認してあげることが大切 - 睡眠のリズムが整っていない
新生児時期は昼夜の区別がつきにくく、個人差はあるものの、生後3〜4か月ごろになると、ある程度まとまって寝るようになる - 部屋の環境
寝る前に静かな環境を作り、明るさや温度を調整することも大切。昼間は木漏れ日程度の明るさで、夜は暗くして寝かせるように心がける
また、体調不良や怖い夢を見て不安になっている場合もあるため、赤ちゃんの様子をよく観察し、適切な対応をしていきましょう。
赤ちゃんを寝かしつけるコツは5つ
次に、赤ちゃんを寝かしつけるコツについて紹介します。
- ルーティンを作る
- パジャマと日中着を区別する
- 脳を使う遊びをする
- 場所の区別を明確にする
- 食事を工夫する
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.ルーティンを作る
赤ちゃんがスムーズに眠れるようにするには、毎晩決まった流れを作るのが理想的です。寝る前に同じ行動を繰り返すと、「もうすぐ寝る時間だ」と自然に体が眠る準備をはじめます。
たとえば、授乳のあとに絵本を読んだり、優しく子守唄を歌ったりするなど、リラックスできる習慣を取り入れてみましょう。また、できるだけ毎日同じ時間に寝かしつけるようにすると、生活リズムが整いやすくなります。
2.パジャマと日中着を区別する
首が座って着替えがしやすくなった頃から、日中の服とパジャマを分けると、生活のリズムを整えやすくなります。お風呂の後にそのまま寝ない場合は、就寝前に改めてパジャマに着替えるのもおすすめです。
着替えの時間は、赤ちゃんにとって刺激が多く、パパやママとの触れ合いの時間にもなるため、寝る前の習慣として取り入れてみましょう。
3.脳を使う遊びをする
赤ちゃんがぐっすり眠れるようになるためには、日中に脳をしっかり使う遊びを取り入れるのがおすすめです。体をたくさん動かせない時期でも、知育玩具や手遊びを活用すれば、脳を活性化させられます。
たとえば、指を動かす遊びや、音を聞いたり、においを感じたりする刺激を与えると、赤ちゃんの五感を働かせられます。また、1歳を過ぎると、簡単な言葉を理解しはじめるため、手遊び歌や絵本の読み聞かせも効果的です。
なお、知育玩具でおすすめのサブスクについては、こちらの記事でご紹介しています。
関連記事:知育玩具のサブスクでおすすめのサービス10選|知育玩具による効果や選ぶポイントをご紹介! | こそだて+
4.場所の区別を明確にする
赤ちゃんがスムーズに入眠できるようにするためには、寝る場所と遊ぶ場所をしっかり分けるようにしましょう。寝室には、おもちゃや絵本を最小限にして、静かで落ち着いた環境を作ることが大切です。
また、お昼寝をする際も、決まった場所やスタイルを作ると、赤ちゃんが「ここでは眠る時間」と認識しやすくなります。たとえば、ベビーベッドやマットレスを活用したり、いつも同じタオルケットを使ったりするなどの工夫がおすすめです。
5.食事を工夫する
質のよい睡眠を促すためには、メラトニンという脳内物質が欠かせません。メラトニンの生成を助ける栄養素を含む食品を日常的に取り入れると、入眠しやすくなるといわれています。
たとえば、肉や魚、チーズや牛乳といった乳製品、豆腐や納豆などの大豆製品、卵やナッツ類などがメラトニンの材料となる成分を多く含んでいます。赤ちゃんが自然に眠れる環境を整える手助けとして、これらをバランスよく摂取することを心がけてみてください。
赤ちゃんを寝かしつけるアイデア7選
次に、赤ちゃんを寝かしつけるアイデアについて紹介します。それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.おくるみを使用する
おくるみにくるまれると、赤ちゃんはママのお腹のなかにいた頃のような心地よさを感じ、落ち着いて眠りにつきやすくなります。さらに、眠りかけたときに、突然手足を動かしてしまうモロー反射によって目を覚ましてしまうのを防ぐ効果も期待できます。
冬は、タオルケットなどで温かく、夏はガーゼ素材や通気性のよいおくるみを使うと、快適に眠れるため、おすすめです。
2.音楽を聞かせる
クラシックやオルゴールの音色、ヒーリングミュージックなど、穏やかな音を流すと、赤ちゃんの気持ちが落ち着き、自然と眠りに入りやすくなります。一定のリズムやゆったりしたメロディーが赤ちゃんの心拍を安定させる効果もあるといわれています。
また、ホワイトノイズと呼ばれる環境音も寝かしつけに効果的です。このため、最近では専用の機器を使う家庭も増えています。
3.絵本を読み聞かせる
寝る前にママやパパの優しい声を聞くと心が落ち着き、入眠のサインとしても機能します。刺激の強い内容よりも、ゆったりとした物語やシンプルなリズムのある絵本が、リラックスしやすいためおすすめです。
赤ちゃんにとって読み聞かせの時間はスキンシップにもなり、言葉の発達や想像力を育むきっかけにもなります。無理のない範囲で、毎晩の習慣にすれば、心地よい眠りにつながります。
4.マッサージする
赤ちゃんを優しくなでてあげると、安心感が生まれ、スムーズな眠りにつきやすくなります。眉間やこめかみ、手足などを指先でそっと撫でると、リラックス効果が期待できます。
さらに、脚全体をゆっくりとなでると、体の緊張がほぐれやすいです。また、タオルやブランケットが触れていると安心する赤ちゃんも多いため、タオルの上からマッサージするのもおすすめです。赤ちゃんが心地よく感じるポイントを見つけながら、優しく触れ合う時間を大切にしましょう。
5.抱っこやおんぶする
赤ちゃんを抱っこして、優しく揺らしながら寝かしつける方法は、安心感を与えられる方法です。パパやママのぬくもりや心拍を感じると、赤ちゃんは落ち着きやすくなります。
ゆっくりと歩いたり、リズムよく揺れたりしながら子守唄を聞かせると、リラックスしやすくなります。しかし、長時間の抱っこは負担になる場合もあるため、まずはトントンしたり、なでたりする方法を試して、なかなか眠れないときに抱っこを取り入れるのがおすすめです。
6.背中をトントンする
赤ちゃんを寝かしつける際に、背中やお尻をリズムよくトントンと優しく叩くと、安心感があり、リラックスしやすくなります。この動作は、ママのお腹のなかで聞いていた心音や鼓動のリズムに似ているため、赤ちゃんにとって心地よいとされています。
添い寝をしながら背中をトントンするのも効果的ですが、縦抱きや横抱きなど、赤ちゃんが落ち着く姿勢に合わせて行うのがポイントです。赤ちゃんの様子を見ながら、心地よいリズムでトントンしてあげましょう。
7.寝たふりをする
子どもは家族が起きていると、「自分だけ寝るのはいやだ」と感じる場合があるため、一緒に布団に入り、寝たふりをしてみるのがおすすめです。家族も寝る時間だと分かると、安心して眠りにつきやすくなります。
また、寝室が暗くても、ほかの部屋の明かりやテレビの音が気になり、寝つけない子もいます。リビングが近い場合は、家族みんなで協力して、照明を落としたり、音を小さくするなど、静かな環境を整えて、子どもが安心して眠れるように工夫してみましょう。
赤ちゃんの寝かしつけで注意したい行動は3つ
次に、赤ちゃんの寝かしつけで注意したい行動について紹介します。
- 昼寝や夕寝を減らす
- 動画を見せながら寝かしつける
- しつこく布団をかける
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.昼寝や夕寝を減らす
赤ちゃんが日中に長く眠ると、「夜に眠れなくなるのでは?」と心配して昼寝を短くしてしまいがちです。しかし、赤ちゃんの体が睡眠を必要としているときに無理に起こすと、かえって不機嫌になったり、興奮して寝つきが悪くなったりする場合があります。
また、夕方の眠気を我慢させると、脳が刺激を受けすぎて寝つきが悪くなる可能性もあります。お昼寝の調整をする場合は、時間を極端に減らすのではなく、眠り始める時間を少し早めましょう。夕寝をする場合も、30分程度に抑えると夜の睡眠リズムを崩しにくくなります。
2.動画を見せながら寝かしつける
赤ちゃんの寝かしつけに動画を活用しているご家庭も多いと思いますが、画面の強い光が脳を刺激して、かえって眠りを妨げる結果につながりかねません。ブルーライトは睡眠に悪影響を与えやすいため、寝る前の1時間はスマホやタブレットの使用を控えるのが理想的です。
どうしても動画を利用する場合は、ナイトモードの設定で画面の明るさを最小限にし、目に優しい環境を整えてあげましょう。音楽のみを流す方法も効果的なため、画面をオフにして音だけ聞かせるのもおすすめです。
3.しつこく布団をかける
赤ちゃんのなかには、布団をかけられるのを嫌がる子も多くいます。何度も布団をかけ直そうとすると、そのたびに赤ちゃんが目を覚ましてしまい、なかなか寝つけないケースも珍しくありません。
寒さが気になる場合は、エアコンや加湿器などで室温を調整したり、スリーパーを着せたりして無理に布団をかけずにそのまま寝かせるのも1つの方法です。赤ちゃんの適切な室温の目安は、春・秋は20〜22℃、夏は25〜27℃、冬は18〜20℃とされています。
また、ぐっすり眠ったか確認してから、そっと布団をかけてあげると、スムーズな眠りを維持しやすくなります。
まとめ
本記事では、赤ちゃんを寝かしつけるコツや寝ないときに考えられる理由、寝かしつけるアイデア、注意したい行動をご紹介しました。
赤ちゃんの睡眠時間は、新生児期には1日16~20時間、生後2か月〜1歳までは14〜16時間、1歳以降は昼寝を含めて12〜14時間が目安となっており、赤ちゃんの睡眠時間は成長とともに変化します。
赤ちゃんが寝ない理由としては、空腹や不快感、部屋の環境、睡眠のリズムが整っていないなどがあげられます。何が理由かわからない場合は、赤ちゃんの様子をよく観察することが大切です。
また、寝かしつけのコツとして、「パジャマと日中着」「遊ぶ場所と寝る場所」の区別をしてみましょう。さらに、日中に脳を刺激する遊びを取り入れたり、入眠の手助けになる栄養素をとり入れたりするのもおすすめです。
寝る前に、おくるみの使用や一定のリズムが流れる音楽、絵本の読み聞かせ、マッサージなどをルーティン化するのも効果的です。赤ちゃんや家庭環境に合わせた無理のない方法で、寝かしつけを頑張ってください。