「子育てに失敗したかも…」と落ち込んではいませんか。「どうして上手くできないんだろう」「あの子育てが間違っていたのかもしれない」と、過去を悔やんだり、将来を不安に思ったりしている方は非常に多いです。
しかし、子育てに「失敗」はありません。すべてはあなたと子どもにとって、かけがえのない「経験」です。大切なのは、その経験から何を学び、どのように関係性を築き直すかです。そのために必要な、子育ての不安を自信に変える3つのステップをご紹介します。
・ステップ① 自分自身の感情を受け入れる
・ステップ② 子どもの「今」を肯定的に見る
・ステップ③ 親子の「対話」を増やす
この記事では、子育ての後悔や不安を解消し、自信を持って子どもと向き合うための具体的なヒントをご紹介していきます。
子育てに「失敗」は存在しない！不安を解消する考え方
子育てにおいて「失敗した」と感じる瞬間は、誰にでもあるものです。なぜなら、多くの親が「理想の子育て」や「こうあるべき」という姿と、現実の子どもの姿との間にギャップを感じているからです。
しかし、その「失敗」と感じる出来事こそが、親子関係を見つめ直す最大のチャンスでもあります。たとえば、「感情的に怒ってしまった」という後悔は、「自分の感情の限界を知り、次はどう対処するかを考える経験」になります。
子どもは、親が完璧であることよりも、悩み、間違い、そしてそれを乗り越えようとする姿を見て多くを学びます。あなたの悩みや後悔は、それだけ真剣に子どもと向き合っている証拠です。だからこそ、「失敗」と断罪せず、すべてを「経験」として受け入れる考え方を持つことが不安を解消する第一歩になります。
子育ての「失敗」を「自信」に変える3つのステップ
子育てで「失敗した」と感じた際は、落ち込むだけでなく、それを乗り越える具体的な行動を起こすようにしましょう。ここからは、不安を自信に変えるための3つのステップをご紹介します。
ステップ① 自分自身の感情を受け入れる
「怒ってしまった」「イライラしてしまった」という自分自身のネガティブな感情を、まずは否定せずに受け入れましょう。「母親なんだからイライラすべきではない」と自分を責める必要はありません。
疲れていれば余裕がなくなるのは当然です。まずは「私は今、疲れているんだな」「不安に感じているんだな」と、自分の感情を客観的に認めてあげてください。自分自身の感情を受け入れることで、冷静さを取り戻し、なぜそのような感情になったのかを分析する余裕が生まれます。
ステップ② 子どもの「今」を肯定的に見る
私たちはつい、子どもの「できていないこと」や「短所」に目が行きがちです。しかし、視点を変えれば、短所は長所にもなります。たとえば、「落ち着きがない」のは「好奇心旺盛」である証拠かもしれませんし、「頑固」なのは「自分の意志が強い」ということです。
子どもの「今」の姿をありのまま肯定的に見ることで、親の不安は減少し、子どもの自己肯定感を育むためのコミュニケーションにも変化が生まれます。
ステップ③ 親子の「対話」を増やす
「失敗した」と感じた時こそ、子どもとの対話が重要です。なぜなら、親が「失敗した」と感じている状況に陥った場合、子ども自身も不安や戸惑いを感じている可能性が高いからです。
大切なのは、親が一方的に話すのではなく、子どもの話を「聞く」姿勢です。「なぜ言うことを聞かないの！」と問い詰めるのではなく、「あなたはどう思ったの？」と、子どもの気持ちや考えを引き出す質問を心がけましょう。
また、親自身の気持ちを「私（I）」を主語にして伝える「アイメッセージ」も有効です。「（あなたは）どうして片付けないの！」ではなく、「（私は）部屋が散らかっていると悲しいな」と伝えることで、子どもは責められたと感じにくくなります。
ついやってない？子育てで失敗（後悔）しがちな5つの行動と対処法
ここからは、子育てで「失敗した」と感じやすい具体的な5つの行動と、それぞれの対処法や考え方をご紹介します。それぞれについて詳しくみていきましょう。
行動① 感情的に怒鳴ってしまう
カッとなって怒鳴ってしまった後、自己嫌悪に陥るケースは非常に多いものです。それは、親自身の疲れや焦りが限界に達しているサインかもしれません。まずは深呼吸して、その場を少し離れるなどしてクールダウンしましょう。
怒りの感情は、親自身の問題（コンディション）であり、子どものせいではないと切り離す考え方が大切です。そして、冷静になったら、「さっきは大きな声を出してごめんね」と謝りましょう。
親も間違えること、そして謝れる姿を見せることは、子どもにとって「失敗してもやり直せる」という安心感につながります。
行動② 他の子どもと比較する
SNSや公園などで、他の子どもの成長や「できること」を見て、自分の子どもと比較し焦ってしまう場合もあります。この焦りは、子どものためではなく、親自身の不安の表れです。
子どもの発達や個性は一人ひとり異なるため、「他の子」と比べる必要はありません。大切なのは、「できる・できない」という比較ではなく、「その子自身の存在そのもの」を肯定してあげることです。
たとえば、人見知りするなら、それは「慎重さ」の表れかもしれません。落ち着きがなくても、「好奇心旺盛」な証拠です。その子の「今」の姿を、そのまま受け入れる視点を持ちましょう。
なお、子どもの「イヤイヤ期がひどいのかな？」とお悩みの方は、こちらの記事をチェックしてみてください。
行動③ 過保護・過干渉になる
子どもの将来を心配するあまり、何でも先回りして手を出したり、子どもの行動を制限しすぎたりするケースがあります。これは一見、愛情のように見えますが、子どもの「自分で考える力」を奪う行為です。
子どもが自分で考え、挑戦し、時には失敗する機会こそが、最大の学びの場です。親の役割は「失敗させない」ことではなく、「失敗した時にどう立ち上がるか」をサポートすることです。親はサポート役に徹し、子どもが自分で乗り越える力を信じて、「安全な失敗」を経験させる勇気を持ちましょう。
行動④ 子どもの話を遮る
子どもが一生懸命に話しているのに、「でも」「それは」と話を遮ったり、結論を急いだりしていませんか。親が「正したい」「早く済ませたい」と思う時ほど、注意が必要です。
このような状況が続けば、子どもは「自分の話を聞いてもらえなかった」と感じるようになります。これは、「あなたの意見や感情は重要ではない」という強力なメッセージとして伝わりかねません。
まずは子どもの言葉を最後まで、良し悪しを判断せず「そう思ったんだね」と共感しながら聞くことを最優先にしてあげてください。
行動⑤ 親の価値観を押し付ける
親が「良かれ」と思って、「こうすべき」「こうしなさい」と親の価値観や夢を子どもに押し付けてしまうケースもあります。しかし、その「良かれ」は、本当に子どものためでしょうか。
子どもは親とは違う一人の人間であり、自分の人生を生きる権利があります。親の価値観を押し付けることは、子どもが「自分で決める力」を育む機会を奪う結果につながりかねません。
親の役割はレールを敷くことではなく、子どもが自分で道を選べるように、多様な選択肢と判断基準を持たせてあげることです。
子育ての失敗に関するよくある3つの質問
子育てに「失敗した」と感じると、「もう取り返しがつかないのでは」「自分だけがダメな親なのでは」と、次から次へと不安が湧いてくるものです。
しかし、そうした悩みは多くの親が共通して抱えています。ここでは、子育ての不安を軽くするために、よくある3つの質問をご紹介します。
質問① 子育ての「失敗」はいつか取り返せますか？
子育てや親子関係において、「手遅れ」ということはありません。子どもは親が思う以上に、親の愛情や変化を敏感に感じ取る力を持っています。大切なのは過去の「失敗」を引きずり、自分を責め続けることではありません。「今、この瞬間」から子どもとどう向き合うかです。
たとえば、「あの時、感情的に怒ってごめんね」と素直に謝ったり、意識的にスキンシップの時間を増やしたりしましょう。親が態度を改め、誠実に愛情を持って接すれば、関係性はいつでも改善していきます。
質問② 完璧な子育てを目指さなくても大丈夫ですか？
完璧な子育てを目指す必要はありません。むしろ、完璧を目指さない方が、親も子どもも健やかに過ごせます。そもそも、すべての子どもに当てはまる「完璧な子育て」というものは存在しません。
完璧を目指すあまり、親がピリピリしたり、小さな「できないこと」を責めたりすると、家庭は安らぎの場ではなくなります。子どもにとって一番大切なのは、完璧な教育や環境ではなく、親がリラックスして笑顔でいることです。
また、親が「完璧でない姿」や「弱さ」を見せることは、子どもが他者の失敗に寛容になったり、助けを求めたりすることを学ぶ良い機会にもなります。
質問③ 子育てにイライラしなくなる方法はありますか？
イライラを完全になくすのは難しいですが、コントロールは可能です。まずは、イラっとしたら「6秒待つ」、深呼吸する、あるいは物理的にその場を少し離れるなど、衝動的に反応しない工夫を試してみましょう。
また、根本的な対策として、親自身のセルフケアが非常に大切です。睡眠不足だったり、自分の時間が全くなかったりすると、心の余裕がなくなりイライラしやすくなります。意識的に休息を取り、パートナーや支援サービスに頼るなどして、自分自身をケアする時間を作ってください。
なお、子育てのイライラが抑えられない場合の対処法については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
「子育ての失敗」を恐れず、今日から子どもと対話しよう！
この記事では、子育てで「失敗した」と感じる不安を乗り越え、自信を持って子どもと向き合うための具体的なステップを解説してきました。最後にもう一度、その重要なステップを振り返りましょう。
・ステップ① 親自身の感情を受け入れる
・ステップ② 子どもの「今」を肯定的に見る
・ステップ③ 親子の「対話」を増やす
完璧な親はいませんし、完璧な子育ても存在しません。親が悩みながらも、懸命に子どもと向き合う姿そのものが、子どもにとって一番の学びとなります。「失敗」を恐れず、今日からできる小さな一歩として、まずは子どもの話をいつもより長く聞いてみることから始めてみましょう。
